プレゼンの3つのコツ | 元外資系コンサルの手法を解説
ビジネスマンには避けては通れないプレゼンのスキル。会社員、個人事業主、経営者、アーティスト等、どんなジャンルで働いていたとしてもプレゼン力『ものを売る』、『企画を提案する』、『自分を売り込む』、『サービスを紹介する』という力は必要になります。今日はプレゼンに必須のたった3つのコツを解説します。
①3つにまとめる
私がよくアメリカ人の幹部クラスの方々の会議、講演で耳にするのは、 「私が言いたいことは全部で3つある。1つは・・・」という方が多いです。そのように訓練されているのでしょう。
最初に、全部で「3つ」あると言って話を始めるのです。そうすることにより物事が整理されているという印象を与えます。また、聞き手にとってもイメージがしやすく理解してもらいやすいのです。2つでもなく、4つでもありません。経験上では3つが多いです。人間の脳は同時に複数のことを処理できません。3つ以上の情報を与えてしまうと判断力が低下し、『判断しない』という結果を生む可能性が高くなります。
選択肢を増やすと判断力が低下する?
判断力を低下させる事について、コロンビア大学ビジネススクールの教授、「シーナ・アイエンガー」さんの著書
『選択の科学』で次の実験を行っています。
あるスーパーの前で 6種類のジャムと24種類のジャムを交互に売ったところ
6種類のジャムのうち1つを買った人は、全体の30%となったのに対し、
24種類のジャムは3%人しか購入しませんでした。
選択肢が多すぎると、人は「選択をしない」という選択をしてしまうということが実験により明らかになりました。
この本はベストセラーとなり、マーケティングの世界では有名な話となっていますが、
この結果からわかるように、人間の脳は同時に判断できる数が限られているということです。
環境を考慮する
この実験では一般消費者を分母としています。 分母がもし特定の「専門家」であれば結果は異なってきます。例えば、あなたが洋服がとても好きであれば、たくさんの洋服が売っている店のほうがより満足の行く買い物ができるでしょう。相手にする人、集団が専門的であればその人の興味に合わせて選択肢を増やすということは有効です。
こと、一般消費者や、興味の無い人達に興味を持たせたい ということであれば選択肢、テーマは「3つ」にしてください。
②資料の文字数はできる限り減らす
スライド等、資料を使用してプレゼンを行う場合、資料に長々と説明を書いても多くの人は見ていません。
どんなに良い内容を書いてもほとんどが無駄となる場合が多いのです。コンサルタントの資本は人そのものであり、資料を作る時間等、あらゆる時間を有効に使用する必要があります。その為、スライドに使用する資料を作り込んでいる時間はありません。時間があったとしても資料を作るより、どのように伝えるかという事を考えるのに時間を使います。多くの人は1~2行以下の文字しか入れません。
一行で伝えられるように、その一行に全てを込めましょう。
③結論→根拠→実例の順に話す
最後、3つ目のポイントです。
プレゼンに関わらず様々な場面で基本となるのがこの「結論→根拠→実例」の話し方です。
まずは結論を伝えます。
「〇〇はあなたに必要です。」
「〇〇事業の撤退をすべきです。」
まず結論を先に伝えると、聞き手の頭の中でイメージが作り出されます。そのぼんやりとしたイメージの中で、疑問や質問を想像させます。
そして根拠を伝えます。
「〇〇の分野が成長しているからです。」
「〇〇の業界は衰退しているからです。」
そして実例を伝えます。
「現に、〇〇分野の成長率は〇〇%伸びています。」
「現に、〇〇の業界の売上は〇〇%落ちています。」
必ず事実ベースの適切な数値を実例として伝えます。例はとてもシンプルな文ですが、根拠、実例となるデータは抜け漏れのないよう徹底的に調べ上げて作ります。
最後にもう一度結論を伝えることで。伝えたいことを強調します。
これはプレゼンに限らず、単純な会話、質問への回答、メール分等、物事を理解してもらうために伝える際に非常に有効な方法ですので、普段の言葉や文章に取り入れて行くことをおすすめします。
最後に、根拠・実例を調べるに当たり必要なテクニックをお伝えします。それは以前のブログでも紹介した「ロジックツリー」を有効に使うことです。時間に限りがある中で、いかに抜け漏れなく適切に問題を深堀りしていけるかどうかが非常に重要となります。効果の無い(少ない)問題を時間を掛け深堀りをしてしまうことをさけ、全体像を掴み、仮説を立てながら適切な問題解決方法を見つけていきます。(仮説思考)