【セイラー教授の行動経済学入門】要点まとめ – 5分でビジネス書要約シリーズ
※「5分でビジネス書要点まとめシリーズ」では忙しいビジネスマンの為に、5分でビジネス書の要点を理解できるように体系化しております。購入前の参考としてご活用ください。
一言でまとめるとどんな本?
人はなぜ非合理な選択をしてしまうのか、心理学の観点から経済学を解き明かす
この本で学べること
・非合理な判断をしてしまう心理的要因
3つの要点
①非合理選択における問題
オークションの非合理選択
瓶に小銭を詰めたものをセリにかけると、セリ値の平均は瓶の中身の金額を下回る。落札された最高値は中身の金額を上回る。
⇒勝者の呪いと言われる。気づいていれば避けられるが一生落札できないという問題。
競馬・宝くじの非合理選択
「本命」と「大穴」の期待値が同じであるという思い込み。実際、大穴の期待値は極めて低い。さらに、負けがこんでくるとより大穴の期待値が大きく感じてしまう。(本命=大穴バイアス)
宝くじは合理的に考えれば買わない。人は自らの選択や偶然性により、期待値が上がると思い込んでしまう。(支配幻想)
株式投資の非合理選択
株式投資に置いては「合理的情報によるトレーディング」と「非合理的情報によるトレーディング」の間に差は見られない。データが極めて多く、例外だらけだからである。非合理判断が価格を動かしうる市場では価格と実質的価値に乖離が生まれてしまうという問題がある。
② 保有効果と現状維持バイアス
・手放すものは得るものより価値がある
自分が持っているものを手放すときに要求する金額は、それを手に入れるために喜んで支払う金額よりも大きくなる。これは経済学でいう「保有効果」と心理学でいう「現状維持バイアス」が働いている為である。
③消費は収入を追いかける
・収入に応じた消費をしてしまう。
ボーナスが入ったから少し高いものを買おう→非合理判断
本当に必要なものを買う→合理判断
人生の教訓
人は心理的に非合理な判断をしてしまう。非合理的な判断をしてしまう心理要因を理解し、本来の価値や期待値に目を向けよう。
著者:リチャード・セイラー