【前代未聞のブロック取引】ビル・ファンとは何者なのか?
ビル・ファン氏に関する記事はwikipediaも含めてほぼ情報がありません。彼が何者なのか、2021年3月末に株式市場に衝撃を与えた原因の多くは謎に包まれています。
ビル・ファンとは何者なのか?
ビルファンは2001年、世界的に有名なヘッジファンドマネージャーであるジュリアンロバートソンの持つタイガーマネジメントのうちの一つのヘッジファンド。タイガーアジアマネジメントを設立します。
タイガーアジアマネジメントはその後、数十億ドルのヘッジファンドに成長し、ファン氏はアジアの金融市場で最大の投資家の1人になりました。しかし2012年、中国株のインサイダー取引により、6000万ドルの罰金が課され、ファン氏はこれを認めました。その後、タイガーアジアマネジメントは閉鎖され、今回問題となったアルケゴス(アヘゴス)・キャピタル・マネジメント(Archegos Capital Management)が設立されます。
ゴールドマンサックスの失態
フアン氏の投資はハイレバレッジで非常にリスクの高いものでした。当初ゴールドマン・サックスはリスクの高いファン氏のアルケゴス・キャピタルを受け入れることを拒否していました。しかし、結局、ゴールドマンはフアン氏の取引金融機関に加わり、ハイリスクな取引を可能にさせましたが、2021年3月末、そのハイリスクな取引が崩壊してしまうのです。
アルケゴス・キャピタルの崩壊
3月26日、ゴールドマンはバイドゥ(BIDU)、テンセント・ミュージック(TME)、ビップショップ(VIPS)など66億ドル、さらにモルガンスタンレーによるディスカバリー(DISCA)ファーフェッチ(FTCH)、GSXテック(GSX)、バイドゥ(BIDU)など130億ドルのブロック取引が執行されました。そしてアルケゴスはクレディスイスや野村ホールディングスを含む投資銀行からのCFDの証拠金請求をデフォルトにしました。
個人投資家が注意すべきこと
週が明けるとすでに市場は落ち着きを取り戻しており、今回の騒動で被害を受けたのはクレディスイス、野村ホールディングス等のみだったようです。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーに於いては対して被害はありません。(多分)個人投資家にあまり影響はなかったですが、野村HDホルダーの方は災難でしたね。
ファン氏の失敗から個人投資家が学べることがあります。
ファン氏は世界的に株高な状況にも関わらず、もっと上がるだろうとの思いで更にレバレッジを効かせて突っ込んだ結果、崩壊してしまいました。
更に上げるだろうという余白が見えていたとしても、その現在価格からの下げに耐えられる資金管理が重要です。